蔵元訪問『花邑』『両関』両関酒造/秋田県

両関酒造(秋田県湯沢市)

創業明治7年(1874)、湯沢の地に蔵を構える、両関酒造を訪れました。
「寒いので、防寒対策しっかりしてきてくださいね。」と、言われていたのですが、この日は東京の方が寒かった位の温かさ・・晴れ女健在!

立派な設備、そして、どこもかしこもピカピカ!

早速、酒造場を、案内して頂きました。

衛生的な蔵内

醸造責任者の山内さん自らが、蔵の中をご案内。
前々職・前職共に、酒造りとは無縁のお仕事に就かれていた、ママ醸造家です。

洗米後、明朝の蒸しを待つ酒米
出麹
酒母タンク

醪タンクを、上から愛しそうに眺めながら、
「この時間が一番好きなんです。」と呟いた山内さんから、母性を感じました。

お酒も、我が子も、愛してやまないのでしょうね。

見学後、販売所へ!

販売所入口の、絵どうろうが目を引きます!
※毎年8月5日から7日の3日間に行われる「七夕絵どうろうまつり」は、湯沢市の夏の風物詩。徳川治世の時代から約300年の歴史をもつ伝統の祭りで、夕刻にいっせいに、110基もの絵どうろうが灯ります。

広々とした販売所(2021年12月現在、試飲は行っておりません)

ナイスタイミングで、前日に販売開始となったばかりの搾りたての新酒を頂きました。

『両関初しぼり 純米生原酒』

テイスティングコメント

青いメロンやライチのような香りが清々しく、若々しい、ピチっと弾けるような口当たり。
やや明確な原料由来の甘みの後に、程よい柑橘系の酸味が追いかけます。
アフターフレーバーは、淡雪のように消えていき、余韻も程よく。

ペアリング考案

青々しい香りとフレッシュな味わいから、香草をイメージ。
また、甘みと酸味のバランスが良いところから、甘酢や、スイートチリソースをイメージ。
よって、ベトナム料理の「生春巻き」や、タイ料理の「パクチーと春雨のサラダ」

ママ醸造責任者の山内さんと

これを、山内さんにお伝えしたところ・・

「秋田名物”しょっつる鍋”も、うまみたっぷりの魚醤を使っているし、この辺りはせりが有名なので、通じるところがありますね!」

と。

すごい!
図らずも、郷土料理と地酒が最高のハーモニーを奏でるという妙。

香りにこだわり、且つ、食事の邪魔をしない。
そんな、絶妙なバランス感覚に、脱帽致しました。

2021.8