酒粕美容法
酒粕パワー、おそるべし!!
ワインの原料、ブドウの搾りかす(=パミス)は、ブドウ畑に返され、肥料にされるのがほとんどだそうです。
あとは、イタリア特産の「グラッパ」などとして、蒸留酒の原料として二次利用されることもありますね。
一方、日本酒の原料は米であり、その搾りかす(=酒粕)を、蒸留酒である焼酎の原料として二次利用した、「粕取り焼酎」もありますが、今回は、酒粕の嬉しい利用法をご紹介したいと思います。
その前に、まず「酒粕」とは・・
日本酒は、純米酒の場合、①米、②麹菌を繁殖させた米(=米麹)、③水、から造られています。
微生物の力を借りて糖化とアルコール化を同時に行い、タンクの中で発酵を進めます。(平行複発酵)
最後にもろみを搾るのですが、じゃーっと出てきた液体がいわゆる、「搾りたて無濾過生原酒」(何も手を加えていない日本酒)で、搾ったあとの固形物が、酒粕です。
通常は、巨大なアコーディオンのような機械(通称:YABUTA)で搾り、特別なお酒の場合は、圧力をかけずに、重力のみで滴り落ちるのを待つ、袋搾り(=袋吊り)というやり方を取ります。
YABUTAから酒粕をはがしている様子
こちらは、板状になっているので、「板粕」として売られています。
綺麗にはがれなかった部分だけを集めたのが「バラ粕」です。
袋搾りの様子
斗瓶(一升瓶10本分)に囲われた、高級なお酒です。
こちらの酒粕は、搾り切っていないため水分が多く、「練り粕」として売られています。
酒粕簡単レシピ
*油あげに塗ってトーストし、醤油をたらしたもの
*ケチャップ&とろけるチーズをトッピングしてトーストしたもの
*クリームチーズ・ドライフルーツ・ハチミツと混ぜ合わせたもの
酒粕が健康に良いというのは、TVの情報番組で取り上げられるたびに話題となり、一時的に爆発的に売れるそうなのですが、、
日本人特有の飽きっぽさ故か、またすぐに、その熱は沈静してしまうよう。
しかし、日本酒をこよなく愛し、酒蔵さんを巡っては酒粕を入手してくる私の家には、年中、酒粕のストックがあります。
私は、スティック状に切り分けて冷凍し、簡単な朝食やおつまみに、日々変化させて食しています。
酒粕には、糖尿病予防、ガン予防、便秘改善、さらに、酒飲みには嬉しい肝機能障害保護なども期待できるとされていますが、身体に取り込むだけでなく、肌に塗っても効果があるのでしょうか?
お顔に塗って、酒粕パックにトライ
【酒粕パックの作り方】
①板粕を軽く火で炙り、アルコールを飛ばす
②適量のお湯でのばして練る
こちらは、購入した酒粕クレイパック
*使用前には必ずパッチテストを行い、肌に異常が認められた場合、使用を中止してください
湯船に浸かっている間、酒粕の香りを嗅ぎながらのんびりし、ぬるま湯で洗い流すだけ。
お風呂上りには、お肌がモチっとするのを実感できますよ!
日本酒の、肌に期待できる効果
日本酒には、沢山のアミノ酸が含まれており、その中には、”肌再生アミノ酸”と呼ばれるプロリンとアルギニンも。
また、有効な成分として、デフェリフェリクリシンがあげられます。
デフェリフェリクリシンは、醸造で使われる米麹に含まれる成分で、メラニン抑制効果や美白作用があることが、科学的に確認されました。
「酒は百薬の長」という言葉があるように、”適量の”飲酒は、やはり、健康に良いのですね。
飲んで、食べて、塗って! 日本酒の原料に、無駄なし。
(参考文献)
月桂冠総合研究所サイト内、研究内容ページ
SSI「新訂 日本酒の基」